スピーカ=電圧=位置? のまとめ
追記：あっていないようです？ ダンパーが支配的になった時だけかな？以下とりあえず残しておきますが参考程度で。
以下、しばらく考えた結果のまとめ。ちょっと難しい内容も含みます。こんなの常識デスヨという場合指摘してください。
まず、発端は、2コ前の記事とかぶるけど、コンデンサマイクって、電圧=圧力として捉えているのに、スピーカーって電圧=コーンの位置じゃん、それっておかしいじゃん、という疑問だった。そうなると、スピーカーからでてきた音をまたコンデンサマイクで拾えば、それは電圧の微分波形が音圧として拾われるんじゃないかという予想。
実際に測定してみると、次のようになった。
乱れてはいるものの、理論通りの結果となった。矩形波の応答はDCのカットじゃないの?と思うかもしれないけど、矩形波の周波数は200Hzで、こんなに減衰するわけがない。(DCカットでどう減衰するかは、アンプ自作な人にはわかるはずです)。
つまり、矩形波をいれたとき、音圧としては、最初一気に立ち上がって、そのあと一定の位置にコーンが留まり(=音圧0)、そのあと立ち下がりで一気にマイナスに振れて、また一定の位置の留まり……というのを繰替す。
三角波の場合は、ひどく乱れてはいるものの、これも微分値。
こういう波形をみると、コンデンサマイクで拾った通りの音圧で聴いてみたいのがオーオタの性というもの。理論的には積分フィルタを通せば良いはずなので、早速foobarで積分フィルタを書いてみたのだけど、積分フィルタはローパスになってしまうので、一旦ここで詰まってしまった。
いったん話逸れます。---
ここで、理想スピーカというのを考えてみる。この理想スピーカというのは、素晴しい音を奏でる……という意味ではなく、電圧に対して完全にリニアにコーンが動くユニットを積んだスピーカとする。
この理想スピーカの周波数特性は、電圧を一定にしてsin波のスイープを入れた場合、音圧は微分値で表れるので、
といった感じになる。つまり2倍の周波数で6dB(6dB/oct)あがるという、ハイ上がりの特性になるわけ。
でも実際のスピーカーユニットというのは、一定帯域に於いてフラットな特性を実現している。これはどういうことかというと、ぶっちゃけ高域になるほど機械的ロスが増えて振動幅が落ちているということになる。電圧に対してリニアじゃない。そのロス具合をうまく-6dB/octに設定することで、うまいことフラットな特性になる。
話を戻すと、現状のスピーカーというのはこういう特性なので、この実験をうまくやるには、積分フィルタをかける前に6dB/octのイコライジングをかける必要がでてくる。まあ積分フィルタの周波数特性をフラットに戻しているだけといえばそれだけなんだけど、スピーカー自体が有効帯域内でローパスフィルタになっている、というのは案外気付いていないのではなかろーか。どうなんでしょう。
で、6dB/octのイコライジングをかまして積分フィルタをかますと、ちゃんとしたバランスの音がでてくるのである。これをマイクでとると、矩形波は矩形波になって出てくる(万歳!)。で、フィルタ前とは全然違う音圧が採取される、つまりインパルスだったのがちゃんとした矩形波として採取されるんだけど、耳で聴くと微々たる差なのが恐しい。
一応ここまでで目的達成なんだけど、別に別世界の音がするぜ、とかそんなことなくて、むしろ悪い。マイクでひろった感じだとマシになってるんだけどね。波形としては整っても、変位分が激しく劣化しているからだと思われる。
現状のスピーカーシステムでは、オフセットに限界がある為、どうしてもダイナミックレンジを下げて、ダンパー係数を掛けなくてはいけないので、相当不利になってしまう。この辺は研究の余地あり、もしくはまったく別の仕組みのスピーカーシステムを考案する、という話になるのだけど、まあとりあえず理論的には納得いったので、ここに記しておきます。
※追記
ダンパー係数調節の結果、聴感上でもフィルタ無しを超えたと言っても良い状態まで持ってこれた。聴感的には、重心が下がった柔らかい音で、音が混濁した時でも音量が変わらないのが特徴。高域の解像度みたいなのはフィルタ無しに譲るけど、中音域がしっかり混濁しないで聴こえる。
ちなみに波形はこちら。上と同様に、矩形波としての信号をfoobarプラグインで作ったデジタルフィルタを通して、スピーカーから出た信号をコンデンサマイクで拾いなおしたもの。200Hz。
ちゃんと矩形波！尖ってるけど。イコライザの影響なのかどうなのか不明。なんにせよフィルタ無しよりずっとちゃんとした波形。尖ってるのは原因がわかったら追求予定。
