おもむろにギターを買う

最近、おもむろにギターを弾きたくなり、たぶん人生で2本目か3本目だとおもうギターを買った。

勢い余ってピアノ(といっても電子ピアノだけど)も買ってみた。

これが思いのほか楽しい。でも楽器の演奏というのは色々複雑な思いがある。


遡ること小学生の頃、僕はピアノを習っていた。当時男子でピアノを習っているというのは珍しく、なんつーか女の趣味だと思われているところがあって、すごく嫌だったのをおぼえている。数年(3年ぐらい?)やったとおもうけどロクに練習もせずレッスン代を浪費。特に最後の一年ぐらいはほとんど練習していなかったように思う。

それでも男子でピアノ習っているというところで目を付けられて、小学生の最後の頃一度だけ学年で歌う歌の伴奏をやった。なんか難しかったような。気球にのってどこまでも?という曲だったか。当時の自分の練習していた曲のスキルより上で苦戦した。まあ要するに技術として確立する前に、わけもわからないまま、やめた。


高校生の頃は作曲に挑戦してみようとDTM音源などかってみたりしたけど、コンピュータを触りたいのか音楽やりたいのかわからないまま適当に音を鳴らして喜んでいる程度の体だったので、なんか全然ピンとこないしょうもない曲を作ってトラウマだけ残して終了。ギターはなんとなくメジャーすぎる楽器にみえたのと、指が太い人には引けないのではないかという妄想に憑りつかれてやらないまま社会人に。


社会人数年目ぐらいで(どうやら2006年らしい)エレキギターをおもむろに買っている。たしか結局ロクにコードも抑えられず断念。その頃たしかまた一式DTM音源もそろえてみたりしたが、これまた何もモノにならないまま終了。


今回も結局浪費だけして終わるのかもしれないけど、音楽の理屈の把握や楽器の練習のやり方などは昔に比べてかなりうまくなっているような気がする。というか、昔の自分ってかなり不器用だったように感じる。結果を考えることができないというか。料理を作るときに完成した味を想像できないというか。何かを食べたときに、ああこれはしょうゆ味だ、とかゴマ油はいってるのね、とかそういうのがわからなかった。音楽でいえば、この曲はGメジャースケールなのね、とか、これは移調なのね、とか。ここでこういう使い方をするとジャズっぽい印象になるのね、とか。料理も音楽も、ガチガチに理論は固まっているわけじゃないけど、ある程度やったら”まずくなる”組み合わせと、定番の(例えば煮物にしょうゆと酒みりんとかね)組み合わせがあって、それは今までその個人個人が受けてきた印象の集合体として構成されていて、ある程度のコモンセンスがある、というところが似ている。


そういう感覚が昔にくらべて自分にある感じがするので、今までより楽しみながらやれている気がする。とりあえず飽きなければいいけど。